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アルミは塗れる。でも、私は簡単には塗りません。
福岡ペイントArt お家を守るコラム~塗装のプロが、本当に伝えたいこと
~41年間、塗装の現場を見てきたからこそ「塗らない」という選択肢もお伝えしたい~
外壁がきれいになると、サッシやアルミの手すり、面格子なども一緒にきれいにしたくなる。
そのお気持ちは、本当によくわかります。
せっかく足場を組んで、お家全体をきれいにするのですから、
「ここも同じように塗れませんか?」
と聞かれることも少なくありません。
そんなとき私は、まずこうお伝えしています。
「アルミは塗れます。でも、私は簡単にはおすすめしません。」
なぜなら、
「塗れること」と「塗った方がいいこと」は、まったく別だからです。
そもそもアルミは、塗らなくても腐食しにくい素材です。
アルミニウムは空気に触れると、表面に非常に薄い「酸化皮膜」をつくります。
この皮膜がアルミを保護するため、アルミが耐食性に優れている理由のひとつでもあります。
さらに住宅のアルミサッシなどには、アルマイトをはじめとした表面処理が施されているものも多くあります。
つまりアルミは、もともと耐食性を考えて使われている建築材料なのです。
そのため、色あせや汚れが気になったからといって、
必ずしも「塗装すること」が一番良いメンテナンスとは限りません。
アルミ塗装で大切なのは「表面がどうなっているのか」を見極めること
「アルミだから塗れない」というのは正しくありません。
適切な下地処理を行い、その表面に適合した材料と施工方法を選べば、アルミへの塗装は可能です。
ただし、ここに難しさがあります。
一口にアルミと言っても、
・アルマイト処理されたもの
・塗装されたもの
・クリヤー処理されたもの
・長年の紫外線や雨で表面が劣化したもの
など、状態はさまざまです。
ですから私は、
「アルミだから、このプライマーを塗れば大丈夫」
という単純な話ではないと思っています。
既存の表面処理や劣化状態を確認し、必要な洗浄、脱脂、研磨などの下地処理を行い、その下地に適合する材料を選ぶ。
アルミを塗るのであれば、ここまで考える必要があります。
では、なぜアルミの塗装は剥がれやすいのでしょうか?
アルミは鉄や木とは少し性質が違います。
塗装するときに特に注意しなければならない理由は、大きく4つあります。
① アルミの表面には「酸化皮膜」ができる
アルミは空気に触れると、表面に非常に薄い「酸化皮膜」をつくります。
この皮膜がアルミを腐食から守ってくれる一方で、塗装する場合には、この表面の状態を見極めて適切に処理する必要があります。
つまり、アルミを塗装する場合には、素材や既存の表面処理の状態を確認し、それに合わせた下地処理と下塗り材の選定がとても重要になるのです。
② アルミサッシなどには、すでに表面処理がされている
住宅に使われているアルミ製品の多くは、むき出しのアルミそのものではありません。
アルマイトなどの表面処理や塗装などによって、耐久性や美観を高めています。
つまり私たち塗装業者が現場で塗ろうとしているのは、
「アルミそのもの」ではなく、「すでに何らかの表面処理がされたアルミ」であることが多いのです。
しかも、その表面が何なのか、どの程度劣化しているのかによって、適切な施工方法も変わります。
ここを見極めずに、
「アルミ用の下塗りを塗れば大丈夫」
と簡単に考えるのは危険だと私は思っています。
③ アルミは温度によって伸び縮みする
アルミには、温度変化によって膨張・収縮する性質があります。
特に屋外では、真夏の強い日差しを受けたときと冬の寒い日とでは、表面温度が大きく変わります。
そのたびにアルミもわずかに伸び縮みしています。
もちろん、塗膜にもある程度はその動きに追従する力があります。
しかし、下地処理や材料の選定が適切でなかったり、塗膜との相性が悪かったりすれば、こうした動きが塗膜への負担になることがあります。
小さなひび割れや浮き、そして剥離につながる要因のひとつです。
④ アルミ塗装は「下地処理」がとても重要
そして私が一番大切だと思っているのが、塗る前の下地処理です。
汚れや油分をきちんと除去する。
既存の表面状態を確認する。
必要に応じて研磨などを行う。
そして、その下地に適合したプライマー(下塗り材)を選ぶ。
アルミ塗装は、
「何を塗るか」だけではなく、「塗る前に何をするか」が非常に重要な塗装なのです。
これは外壁塗装にも共通することですが、特にアルミのような非鉄金属では、下地処理と材料選定を間違えると密着不良につながる可能性があります。
だから私は、アルミを見て簡単に、
「ここも塗っておきましょう」
とは言いたくありません。
アルミは塗れます。
でも、
「塗れる材料がある」ということと、「そのアルミを塗ることがお客様にとって最善である」ということは別の話です。
これが、41年間現場を見てきた私が、アルミ塗装を簡単にはおすすめしない理由です。
私が怖いのは「塗った直後」ではなく「数年後」です
塗装した直後は、きれいです。
これは当たり前です。
問題は、その先です。
私は41年間、塗装の仕事を続けてきました。
その中で、アルミ部分に塗装された塗膜が数年後にひび割れたり、一部分だけ浮いたり、まだらに剥がれたりしている現場を何度も見てきました。
一度こうなってしまうと厄介です。
元のアルミの状態なら洗浄などで美観を整えられたものが、塗膜をつくったことで、今度はその塗膜そのものを維持しなければならなくなります。
部分的に剥がれれば、その部分だけ補修しても、周囲との色や艶が合わないこともあります。
だから私は、
「今きれいになるか」だけではなく、「5年後、10年後にどうなっているか」まで考えて判断したいのです。
「アルミも塗れますよ」の一言だけでは足りません
アルミを塗装すること自体が悪いわけではありません。
私が問題だと思うのは、
リスクを説明せず、普通の鉄部や付帯部と同じ感覚で塗ってしまうことです。
下地処理が不十分なまま塗る。
既存の表面処理を確認せずに材料を選ぶ。
そして、
「塗ればきれいになりますよ」
と、完成直後のことだけを説明する。
確かにきれいにはなります。
でも、お客様が知りたいのは本当はその先ではないでしょうか。
だから福岡ペイントArtでは、
「塗れるかどうか」だけではなく、「塗ったあと、どうなる可能性があるのか」までお伝えしたうえで選んでいただくこと
を大切にしています。
私なら、まず「塗らない方法」を考えます
アルミ部分の美観が気になった場合、私はいきなり塗装を考えません。
まず、
「本当に塗る必要があるのか?」
を考えます。
汚れや軽度の変色であれば、素材に適した洗浄によって美観を改善できる場合もあります。
塗らずに済むのであれば、本来のアルミの表面を活かす。
これも立派なメンテナンスだと思っています。
それでもきれいにしたい場合には、別の選択肢もあります
劣化が進み、洗浄だけでは美観を回復できない。
それでもアルミの風合いをできるだけ残しながら、きれいにしたい。
そのような場合には、一般的な塗装とは違う「アルミ建材の修復」という方法もあります。
福岡ペイントArtでは、その選択肢のひとつとして、アルミ建材の修復用に開発された「ビアンコートM」という着色ガラス塗料を使用した施工も取り扱っています。
一般的な塗料で厚い塗膜をつくるのではなく、アルミの質感をできるだけ活かしながら美観を回復させるための工法です。
ただし、当然ながら通常の塗装より施工費用は高くなります。
だから私は、これもすべてのお客様におすすめするわけではありません。
塗らない。
洗浄で整える。
一般塗装をする。
専用の修復工法を選ぶ。
それぞれのメリットとデメリットをご説明したうえで、そのお家にとって一番良い方法を一緒に考えることが大切だと思っています。
「塗れる」と「塗るべき」は違います
私たちの仕事は、
「塗れるところを全部塗ること」ではありません。
塗らない方がいいものには、
「ここは塗らない方がいいですよ」
とお伝えする。
高額な工事が必要なければ、
「そこまでしなくても大丈夫ですよ」
とお伝えする。
それもプロの仕事だと私は思っています。
塗装した直後だけを見れば、どんな工事でもきれいに見えるかもしれません。
でも、私たちが考えなければならないのは、その先です。
5年後、10年後も「この工事をしてよかった」と思っていただけるか。
だからこそ私は、
「塗れる」と「塗るべき」は、まったく違う。
ということを、これからも正直にお客様へお伝えしていきたいと思っています。
課監修者:株式会社 福岡ペイントArt
代表取締役 山添正信





